世界が尊敬する日本人から興味深いものだけ

今週のNewsweek日本版で、「世界が尊敬する日本人１００」なる恒例の特集がやっていた。そもそも僕はこういう日本人しか喜ばないような企画はあまり好きではないし、そういうローカル色から離れたくてNewsweek読んでるんだからやめてくれよ、という感想を持っていて読み飛ばしている。

なんかああいう特集で出てくる日本人って、典型的にパターンとしては
１）外国の有名な賞とった人
デザイナーとか建築家とかイラストレーターとかね。まあ、そもそも、こういった分野に興味がない。選ぶ人の趣味なのか、分かりやすいからか、この手の特集ってなんか芸術系が多いんだよね。なぜか「歴史」が関与していない芸術とされている造形物ってまったく興味ないんだよねえ。

２）外国でその国の文化を日本人が学んで、ある程度までいった人
日本で言うと演歌歌う黒人がいたでしょ？まあ確かにその国の人は（おもしろ半分で）喜ぶよね。ああいう感じ。以前アメリカで大受けのお笑いの人っていたよね。日本人が聞くと怒りがこみ上げてくるくらいつまらなかった。

まあ、上記のようなことで有名になる、こういう特集で大々的に取り上げられる日本人はあまり興味がないのですが、実はそういう系の大きく扱われている人と別枠で、テキストだけで小さく扱われている枠があって、そこにいる人はよーく読むと興味深い人も多い。あまり省みられていない人も多そうなので、ピックアップしてみました。特に私財をなげうってひたすらインドの砂漠の緑化に尽力した杉山龍丸には感銘を受けた。日印両政府からの援助は最後までなかったそうです。

水野由康
タンザニア政府の産業開発アドバイザー。90年代、三菱商事の駐在員としてタンザニアで暮らす。04年、50歳で同社を退職して伊豆にホテルをオープン。引退生活を送っていたところ、タンザニア大統領から同ポストへの派遣要請を受け、08年2月にJICA専門家といてタンザニアに赴任。
元気なアフリカ | 「人」明日へのストーリー　インタビュー | 見る・読む・楽しむ - JICA

八田與一
土木技師。1930年、日本統治下の台湾で当時アジア一といわれた烏山頭ダムと1万6000キロに及ぶかんがい用水路を10年かけて完成させ、不毛の台南州嘉南平野を豊かな穀倉地帯に変貌させた。
八田與一 - Wikipedia
Wikipediaより↓
・日本よりも、彼が実際に業績を挙げた台湾での知名度のほうが高い。
・烏山頭ダムでは與一の命日である5月8日には慰霊祭が行われている。
・現在烏山頭ダムにある與一の銅像は、中華民国の蒋介石時代に日本の残した建築物や顕彰碑の破壊がなされた際には、地元の有志によって隠され、昭和56年（1981年）になって再びダムに設置されるようになった。
・現在でも中学生向け教科書『認識台湾　歴史篇』に八田與一の業績は詳しく紹介されている。
・平成16年（2004年）末に訪日した李登輝台湾総統（農業経済学者でもある）は、與一の故郷金沢へ訪問した。

石野真子
キューバの大スター。86年にサチ役で出演したNHK大河ドラマ「いのち」が90年代にキューバで放送され、視聴率80％を超える大ヒットに。プライベートでキューバを訪れた際には現地で急遽記者会見が開かれ、行く先々で「サチ！」と声をかけられる人気ぶり。

宮本武蔵
吉川英治著「宮本武蔵」のポルトガル語版が、ブラジルで99年の初版以来10万部を売り上げるベストセラーに。1冊の厚さは約5センチと電話帳並みで、1冊約100レアル（約5000円）と高価だが、武士道精神がブラジル人に受け、剣道ブームの火付け役になったといわれる。

サツマ
温州みかん。欧米で「サツマ」といったらミカンのこと。明治初期、駐日米大使夫人が鹿児島から苗木を故郷フロリダ州に送って広まったとされる。アメリカの複数の産地には「サツマ」という地名も。

杉山龍丸
インドで敬愛される「緑の父」。62年に渡印。下層農民への農業指導を開始。ユーカリの植林や稲作を成功させ、インドの砂漠を緑に変えた。87年、68歳で死去。ちなみに父親は夢野久作。
杉山龍丸 - Wikipedia
杉山龍丸

山田寅次郎
1980年代。オスマン帝国の使節団600人を乗せた軍艦が和歌山県沖で遭難した際、遭難者や犠牲者の遺族への義捐金を募る全国キャンペーンを展開。義捐金を持って渡ったイスタンブールで熱烈な歓迎を受け、皇帝の要請でとどまり、両国の友好に貢献した。トルコの親日感情の礎を築いた。57年、91歳で死去。
山田宗有（寅次郎） - Wikipedia