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CHTY 帰ってきた、ねこ上級

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最近以前に比べると、あまりブログ更新しなくなってしまいましたね。

なんつうかこう、自己表現に関する意欲が最近薄い。これは今たまたまそういう気分なのか、はたまた年をとってしまったのか。。。たぶん今だけの気分なんだろうと思うけど、このままほっとくのも良くない気がするので、今後は無理してでも一日1回は更新しようかな。

週末は誰とも会わずにずっと漫画読んでました。なぜかうちのHDDに漫画のデジタル化したもの(なんででしょうか。不思議不思議。。。)がたくさんあるので、そこで今まで興味はあったけど巻数が多すぎて、部屋に入りきれないなど物理的な理由で購入できなかったような漫画を読み漁っていました。

金曜の夜:

BECK


かなり有名だし前から興味あった漫画。もともと「ロック漫画はうまくいかない」っていう定説が漫画界にあって、それは要するに音が絵じゃ表現できないっていう制限に基づくものなんだけど、この漫画で初めてそれが覆された。らしい。

まあ作者のハロルド作石はいままで面白い漫画しか描いてないので、面白いんだろうなと思ってはいたんだけど、上記のロック漫画の制限がうまく料理できているかどうか謎だったこととか、巻数が多かったこともありなんとなく読んでいなかった。今回一気に読みました。

結論から言うとすごく面白い。迷っている人はお勧めです。しかもちゃんと音を出せないにもかかわらずロックバンドの盛り上がりというか、ライブのエクスタシー感みたいなものをちゃんと出せていて、さすがだなあ、という感じ。コータローまかりとおる、とは格が違う!

内容はまあラブコメのバンド版、という感じ。すなわちラブコメというのは、恋をしたことのない童貞少年にとってのありえない夢(最初からかわいいこがまわりにたくさんいて、さえない主人公なのにモテモテとか)を描いたものだけど、このバンドはバンドやってる人、もしくはバンドでモテモテになったり、みんなに注目される(あるいは今のさえない生活がどこか変わる)ことにあこがれているギター少年の、典型的理想的な妄想をそのまま映画にした感じ。

何のとりえもないさえない中学生が
1)「たまたま」アメリカ帰りで英語ができてギターも超うまくてプロ志向のバンドで活躍しているにーちゃんと知り合う
2)上記の兄ちゃんに気に入られ、「なぜか」とても仲良くなる
3)上記の兄ちゃんの妹がいて、「なぜか」気に入られる
4)主人公が「たまたま」歌がうまかった
5)主人公が歌がうまかったことが買われてギターのうまい兄ちゃんのバンドに参加
6)「たまたま」ギター兄ちゃんがアメリカにいたときの友達が超有名なロックバンドのメンバー
7)その有名ロックバンドのライブに行ったら、主人公がそのバンドメンバーに誘われてステージに上がり歌を歌う!
8)その歌を歌う風景をバンドの記録映画を撮っていた映画監督によって映画化されて、世界中にその映像が流れる

などと文章にしてしまうと「たまたま」「なぜか」の連続。でも面白い。まあなんかギター小僧とか、バンド小僧の妄想する夢をぜーんぶかなえてあげた感じ。僕も遊び半分だけど昔バンドやってたんでなんかこういう妄想する気持ちはなんとなく分かる。

ちなみに主人公と後々付き合うことになるギター兄ちゃんの妹が帰国子女でアメリカンスクールに通ってるんだけど、その妹とは仲がいいのに妹のアメリカンスクールの友達は「どうにも受け付けない」という描写はなんとなく気持ちが分かって面白かった。まったく同じ描写が「キラキラ(安達 哲)」の漫画の中にもあった。ああいう派手でお洒落で遊び人で内容のないバカっていう人に対するねたみと見下しが混じったような感情、分かるなあ。

土曜日:

六三四の剣


うーんなつかしい。子供の頃読んでた。

なんか子供心に「六三四の母ちゃんはエロい」という古い記憶があったんだけど、今読んでもやっぱりエロかった。これって少年誌だよね?今なら少年誌でここまでエロは書けないと思う。いとこのお姉ちゃんもエロかった。申し訳ないが作者が一番伝えたかったであろう剣道の試合の部分は飛ばし飛ばし読みました。

これに比べたら「龍」は青年誌なのに全然エロくない。たぶん当時作者はまだ新人で、このエロは別に本来書きたくなかったのに編集者とかに「人気出すために書け!」って言われていやいや書いてたんでしょうね。


宗像教授異考録


日本の神話とか、各地の柳田國男的民俗学的テーマをからめた疑似科学的SFはすごく好きなテーマなので読んでみた。ちょっと理屈っぽいんだけど面白い。でも似たようなテーマで書いても諸星大二郎と全然雰囲気が変わってくるのは面白い。この手のテーマで絵が緻密でうますぎるってのもちょっと逆にハンデなのかもしれない。字が多いので本を読んでいる気持ちになる。諸星大二郎と並べて読むのがお勧め。あと安彦良和の「ナムジ」「神武」あたりともテーマが似てるのでこの辺ともあわせて読んでみよう!


ヒストリエ vol.5 (5) (アフタヌーンKC)


ついに5巻でました。単行本が出るペースが遅いので(1年に1冊ペース?)新しい巻が出るといちいち1巻から読み直すようにしています。それもまた楽しい。


日曜日:

かってに改蔵


これも全巻読破。はー疲れた。この人南国アイスホッケー部の途中から今の路線になって、この後どうするんだと思ったら「かってに改蔵」で同じ路線を継承して、このまま永久に続けていくのかと思ったらいったん終わり、今は「絶望先生」てやっぱり同じ路線を継承してる。

この人の漫画は別に漫画でなくてもいいというか、どちらかというとサブカル系ライターのノリなんだけど、面白い。毎回テーマを決めて世の中の気に入らないものを面白おかしく断罪していく感じ。でも世にあるコラム漫画というところとは一応一線を画している。

ちなみに最初この人の漫画読んだ時、昔僕が若くて暇だった頃にネットでちまちま書いていた日記というかコラムに路線が非常に似ていてびっくり。もちろんこの人のほうが全然面白いんだけど。こういうのは世間で受けないと思ってたんだけど、絶望先生なんてアニメ化までしちゃってけっこう人気があるみたいで、世の中もなんか変わったなあという感じ。(ちなみに漫画の中で「これは世間受けしないよな、俺は好きだけど」と言いたがるマニアを揶揄する回があって、面白かった)


うずまき


伊藤潤二は面白いなあ!多くは語りません。伊藤潤二らしさ満載。ホラーだからと敬遠している人にはぜひ読んでもらいたい。なんつうか普通のホラーとは違って怖い中にちょっとしたユーモアが感じられるから不思議。基本的につじつまのあったストーリー展開はなく、諸星大二郎にも似たなんだか夢の中で見たようなつじつまの合わない、落ちのない話が大半なんだけど、妙にひかれる。生理的に「こういうのはイヤだなあ」という着想をリアルに映像化して喜んでいるフシがあるんだけど、そのイヤさがイヤんなんだけど妙に惹かれるというか。。人間って不思議ですね。


伊藤潤二の猫日記よん&むー (ワイドKC)


上記のホラー漫画家伊藤潤二が、飼っている猫について書いた漫画。基本的に伊藤潤二が好きな人向き。

内容的には「自分ちの猫がかわいい」ということを描いているほのぼの漫画なのに、伊藤潤二ホラーの描画手法をわざと使っておおげさに、おどろおどろしく書いているところが面白い。新婚の奥さんの顔が妙に恐ろしげに(なぜか白目)に書かれているのがおかしい。ただ、伊藤潤二のホラーと同じタッチでほのぼの漫画を描いているのがおかしいのであって、伊藤潤二のファンじゃない人が読んでもたいして面白くないでしょう。

ただあれだけ「おかしい」「病んでる」作品を描いている人が、かなり普通の感覚を持っていて、健全な生活を送っているのがなんかおかしいというか、ちょっとほっとする。

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