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サバイバル!―人はズルなしで生きられるのか (ちくま新書)
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服部 文祥
筑摩書房
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ヒマラヤ冬山登山など通常の登山については極めてしまい、それだけではあきたらず新ジャンル「サバイバル登山」を自ら作った著者がそのサバイバルの体験談を描いたた本。持参する食糧は米と調味料だけ。岩魚を釣り、山菜を採り、蛇やカエルを喰らう。
この人のコンセプトは「ズルをしない」。つまり登山に自分で勝手にルール(制限)を設けて、より自然に近い、自分の力で登山し生き延びることをテーマにしている。大まかに言うとだいたい「江戸時代くらいまでの人が持っていた装備で登山をし、生き延びること」。
ちょっとクスっとしたのは、結局この人が自分で開始したルールなのでこの人自身がルールブックで、わりと適当に設定したり改訂したりしていること。例えば文明に頼らない、ということで電気を使うものやストーブ(コンロ)、テントなどは禁止なのだが、タープの使用はOKだし、米は自分で持っていく。登山道や避難小屋はなるべく使わないようにしているが、たまには使う。文明がダメというわりには
ミルクティーわかして飲んでたり、自分で食べ物を調達することをモットーにしているけど釣り竿はカーボンファイバーの最新式だったりする。その辺はけっこう適当と言うか、臨機応変。ライターも使っていいらしい。
米と調味料は持って行きオカズは現地調達。おもに渓流でイワナを釣って刺身で食ったり燻製にして持ち歩いたり。例えばマンガ「サバイバル」のように、現代文明が崩壊してその継続的な生産はなくなって、残っている文明の残滓のみで生き残るようなイメージに近い。マンガ「サバイバル」が大好きだった俺としては、この人の現実の行動は非常にワクワクする。
前半はエベレスト登頂で30メートル滑落した時の命がけの体験談。次にサバイバル登山のコンセプトと実際の登山日記、その後実際のサバイバル生活のマニュアルめいたものがあって(あまり一般人に参考になるものではない)、その後最後に著者の登山に対する哲学めいた話がある、と言う構成。実は一番最初の登山、直角の濡れた斜面を降り時に30メートル滑落した、という話が一番恐ろしくて一番興奮した。なんかこういう悪い夢見るよな、という体験。
まあ勝手なルールづくりについては散歩両論あるみたいですが、俺は好き。この著者自身サバイバルと人工的なものについて人間的な矛盾を抱えており、それを自覚している。やっていることは社会不適応者とも言えるような危険を顧みない破天荒さなのに、一方でサバイバル生活のあいまに入った登山道で普通の文明的な登山客と会ってしまった時の気まずさ、みたいな描写、ちゃんと結婚して子供もいる、という常識人、人間的な一面を持っていて面白い。この人の別の著作も読んでみたいと思う。
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